いざこうして数字が出てみると、逆にどこに勝算があったのだろうと訝ってしまうが、はっきりしているのは勝算どうこうよりも、配給の東映の止むに止まれぬ理由があったということだ。というのも、今夏の東映は7月26日に『仮面ライダーガッチャード ザ・フューチャー・デイブレイク』/『爆上戦隊ブンブンジャー 劇場BOON! プロミス・ザ・サーキット』を公開した後、9月13日公開の『わんだふるぷりきゅあ!ざ・むーびー!』まで新作の公開がないのだ。ちなみに、昨夏は同じく『仮面ライダー』シリーズと『プリキュア』シリーズの間に、『リボルバー・リリー』、『Gメン』、『禁じられた遊び』と3本の実写作品を公開していた。いずれの作品も興行的には芳しい結果を残せなかったわけだが、それも受けてアニメーション作品かシリーズ作品以外の企画が成り立ちにくくなっていること、かつてのような旧ジャニーズ事務所所属タレントの主演映画(『Gメン』と『禁じられた遊び』はそうだった)の量産体制が崩れてきたこと、などの事情が見え隠れしている。
「勝算」というよりも「賭け」として、もしかしたらパリ・オリンピックでのバスケ日本代表の躍進を期待していたのかもしれないが、日本代表の戦績にかかわらず、少なくとも前回の東京オリンピック前後から、オリンピック景気を当てこんだ作品はフィクション作品もドキュメンタリー作品も総じて苦戦している(東映も今年6月に『BELIEVE 日本バスケを諦めなかった男たち』を公開しているが、大きな話題にはならなかった)。オリンピックと映画興行の連動は「もうそういう時代ではない」とそろそろ諦めた方がいいのではないか。
『THE FIRST SLAM DUNK』が素晴らしい作品であることは言うまでもないし、主要舞台の設定が夏であった同作を、夏が来るたびに「復活上映」するというアイデア自体は、作品の一部ファンダムのニーズを満たすものなのだろう。ここで疑問視しているのは、あくまでもその公開規模について。少なくとも、今回の「復活上映」は失敗に終わった。そのことは、誰かがこうして書き留めておくべきだろう。
宇野維正
8/22(木) 18:48配信 リアルサウンド 失敗に終わった『THE FIRST SLAM DUNK』復活上映 その理由と教訓
https://news.yahoo.co.jp/articles/863484e05f24e43318ff62267e99dd784b2ff962
引用元: ・【映画】失敗に終わった『THE FIRST SLAM DUNK』復活上映 その理由と教訓 [シャチ★]
まあ元手かからんから失敗もないわな
新作並のヘビーローテでもなかろうに
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